研究例

機械学習の量子多体問題への応用

量子力学の問題は一般に、扱う粒子の数が増えるにつれて急速に難しくなり、コンピュータを用いても厳密に解くことがほぼ不可能になります。そのような量子多体問題に対して、ニューラルネットワークを用いた機械学習を巧く使うと、効率よく近似解が求まることを明らかにしました。機械学習の分野は近年急速に発展していますが、その物理学への応用も大いに期待されます。


ボース凝縮体におけるカルマン渦列

川の流れの中に棒を立てると、その下流に渦が生成され規則的に並ぶことが 知られています。 このような渦列の発生は自然界のあらゆるところで見られ、「カルマン渦列」 と呼ばれています。 カルマン渦列の発生は従来、流体の粘性に深く関係していると 考えられていましたが、本研究では粘性を持たない超流動体においても カルマン渦列が発生することを明らかにしました( 渦列発生の様子)。 この様子を示した図が Physical Review Letters 誌の表紙 を飾りました。

二成分ボース凝縮体におけるレイリー・テイラー不安定性

上層に重い流体、下層に軽い流体というような不安定な状態を作ると、 上層と下層が逆転しようとする際に界面がキノコのような形に変形する ことが古くから知られており、「レイリー・テイラー不安定性」と呼ばれて います。 本研究では、互いに混ざり合わない二成分のボース凝縮体においても 同様な不安定性が現れ、キノコ状のパターンが生成されることを 明らかにしました。


その他の研究