シュレディンガーの猫状態の散逸

シュレディンガーは量子力学をマクロな世界に適用すると、猫の生死が共存すると いうパラドックスが生じることを指摘した。 近年量子光学でそれに相当する光の状態の生成法と性質について盛んに議論され、 実験的に検証可能になってきている。

我々は、猫状態にあるような系にとって散逸の影響が本質的に重要であると考え、量 子コヒーレンスがエネルギー散逸によって失われる様子を解析的に調べた。 その際、密度演算子を有効に用いた表示法を開発し、いかに猫状態が破壊されてゆ くかを明確に表示することができた。 この手法を応用することにより、従来数値的にしか得られていなかった、猫状態の 複雑な発展過程を解析的に議論することが可能となった。

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