動的カシミール効果

光子場を閉じ込める空洞共振器は、通常大きさが固定され内部は真空になっている。 これに対して、共振器の壁あるいは内部の誘電率を時間的に変動させると、真空か ら光子が生成されるということが場の量子論から予想されており、「動的 Casimir 効果」と呼ばれている。

我々は、壁を猛烈な勢いで動かすよりも、誘電率を変動させる方がより実現可能性が 高いことに着目し、共振器内に誘電体を取り付けた系をモデルとして採用し、理論 的考察を行なった。 その結果、誘電率の振動により光子が単独のモードに集中して発生するということ を見い出し、広い周波数帯で発光する、壁の振動の場合と比べて定性的に違った振 る舞いを示すということを明らかにした。

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